【きっかけ】
2011年3月11日の東日本大震災で被災したラグビーチームに何かできることはないか?からスタートしたのがこの『フライキプロジェクト』です。フライキとは「富来旗・福来旗」と書き東北の南三陸地方(宮古、釜石、大船渡、気仙沼など)の漁港で昔から大漁旗の通称として呼ばれているものです。漁に出る際の安全を祈願するために。帰港する際港で待つ家族に早く大漁を知らせるために用いられた大変縁起の良い慣わしです。
1980年代新日鉄釜石ラグビー部の全盛期、前人未到の7連覇をかけた国立競技場でトライを挙げるたびに無数の大漁旗が靡いていたことが記憶にある方も多いと思います。
【目 的】
このフライキ(大漁旗)を震災の年から被災したチームをはじめとする東北6県すべてのチーム(約250チーム)に送り届けております。これが『フライキプロジェクト』です。
2019年にRWC日本大会開催がが決まり、東北唯一で被災地でもある釜石鵜住居での開催も決定しました。それからは釜石鵜住居復興スタジアムでフライキを一斉に振ることを目標にしました。
【RWCの奇跡】
初戦の9/25フィジーvsウルグアイ戦は約60旗のフライキが集まりバックスタンドを埋めることができました。予選第2戦は10/13のカナダvsナミビア戦で100旗以上のフライキが準備でき地元の中高生など沢山の方々に振ってもらうことになっていましたが台風19号の影響でまさかの中止。8年間の活動が水の泡になってしまったと思いました。しかし奇跡は起こりました。キックオフの予定時刻が近づくと観戦できなくなったファンの方々が少しづづ鵜住居駅周辺に集まだしました。行き場を無くしたフライキを鵜住居駅に運び集まった方々に手渡すと100旗のフライキはあっという間に無くなりました。
12:15のキックオフに向けて鵜住居駅からスタジアムまでフライキの行進をしました。台風一過の真っ青な空にフライキの奇麗な柄が映えて、素晴らしい光景でした。行進してくださった方々からは口々に感謝の言葉をいただきました。不思議で気持ちのいいわずか30分の奇跡でした。
【これから】
沢山の方々の協力やご支援をいただき8年間続けてこられた活動はRWCのプロジェクトと奇跡の行進で締めくくられました。2020年に入り岩手県知事から感謝状。釜石市長からも感謝のお手紙をいただきました。活動もいったん中止も考えましたが、初志貫徹。東北6県250チームすべてのラグビーチームに届けるまで活動を続けます。これからも応援よろしくお願いいたします。
秋田南高校ラグビー部(フライキ62号)